2013年6月15日土曜日

マートゥルパンチャカム

帰国後いろいろ頑張り過ぎたか、疲れが出て、昨日は一日、ぐったりしていました。

うーん。生活のペースを掴むのって難しいですね。


さて、最近クラスでシャンカラさんのお話をしたので、アディ・シャンカラ先生について興味津々な皆様へ。


父の日なのに、なぜか母への詩をおひとつ。

シャンカラーチャーリヤが母の死の床に駆けつけた折に送った詩、マートゥルパンチャカムです。この話をスワミT(Swami Tattvarupananda )が聞かせてくれたときに、その熱い語り口にジーンときちゃいまして、その後ブッダガヤのゲストハウスのベッドの上で、熱にうなされながらこれを訳していたんですな。

熱があるなら寝てろって話なんだけど、何日も具合悪くてどこにも行けず、暇だったんだのよさー。多少意訳してますので原文と語順や行の順が逆転している部分が多々有る筈ですが、あしからず。



お母さんへの五つの詩編

私を産んでくれたとき、歯を食いしばってお産の苦しみに耐えてくれました。
一年もの間、私の汚す寝床で一緒に眠ってくれました。
痛ましく身体を細らせて、9ヶ月の間、私をお腹に宿してくれた
愛しいお母さん。
たとえ私が、どんなに立派な人間になったとしても
あなたの払った全ての忍耐に、何をもってもお返しのしようがありません。

グルの家にて、オレンジ色の衣に身を包み、出家を急ぐ私を
あなたはその理想と涙を押し殺し、毅然として受け止めて
抱きしめて下さいましたね。
グルも他の生徒達もみな、あなたと共に涙していました。
あなたの足元にこの身を投げ出し額ずく他に
私には出来ることがありません。

お産の痛みの中で泣き叫ぶお母さん
「おかあさん!おとうさん!おおシヴァよ、クリシュナよ!
おおゴーヴィンダ、ハリ、ムクンダよ!」
その痛みの代償に、私はただ頭を下げることしか出来ないのです。

あなたの死の床に遅れて参上した私は
あなたの死に水を取ることも出来ず
あなたの死の旅支度も供養することも出来ず、
あなたの耳にラーマの名を唱えることすら出来ませんでした。
おお、聖なる母よ、これらの私の失態の数々を
どうぞあなたのお慈悲によってお許し下さい。

「ぼうや、長生きするんだよ。
私の真珠、私の宝石、私の可愛い二つのお目めちゃん。
私の愛しい素敵な王子様!」
幼い日、あなたはそう歌ってくれましたね。
しかし私はそのお返しに、ほんの少しの干し飯しか
あなたに差し上げることが出来ないのです。



シャンカラは子供に恵まれなかった夫婦がやっと授かった一人っ子で、しかも早くして父を亡くしてしまい、母子家庭だったんですね。さぞお母さんに大事にされていたことか。それでもって幼少期に出家してグルの門下に入ってしまうのですが、お母さんのこと、大、大、大好きだったんだと思うんです。

どんな偉大な聖者にとっても母は偉大なり。

父も偉大なりです。