2013年5月29日水曜日

WSのお知らせ『Tokyo Yoga Friends 2013』

あのアットホームなクラスをもう一度!東京で出会ったヨガ友・・・先生達、生徒の皆さんに感謝を込めて。みんながアットホームに集えるスタジオを1日限りオープンします。今回は、偶然にもYOGAJAYAで出会った仲間とのコラボレーションとなりました。面白かったですね〜あの頃。敷居が高いイメージを持たれがちでしたが、実は老若男女、日本内外、茶の間(?)のような交流がとても楽しいスタジオでした。一日ずっと参加しても無理のないようなプログラムを組んでみましたので、皆さん、是非盛り上げに来て下さい。予約不要ですがどうしても予約したい方は予約してもOKですよ。ヨガマットはご持参下さいね〜!

Sita







★ 7月13日(土)『Tokyo Yoga Friends 2013』

場所:渋谷区千駄ヶ谷 3-54-8 「さくら 2F」

【スケジュール】
10:30      開場
10:45−12:00  ヴィンヤサヨガ 太田 由妃子
12:30−13:45  経絡ヨガ※ 山中 路子
14:15−15:30  アシュタンガヨガ 小口 智 
16:00−17:15  アーサナ・プラーナヤーマ※ 寺崎 由美子 
17:30−18:30  キールタン×ガイド瞑想  寺崎由美子(キールタン) × 山中路子(瞑想)
※印はゆったりめのプログラムになります。

【チケット】1クラスチケット2500円 (瞑想のみチケットは1500円)
2クラスチケット4500円
1日フリーチケット 6000円

・ヨガマットを必ずご持参下さい。
・予約不要 

地図↓クリック

男前な女の子





本日は、7月13日(土)のイベントの初打ち合わせで路子ちゃんに会って来ました。

路子ちゃんとは誰ぞや。

私のことをずばり一言「毒を持った白兎」と表した人です・・・って思ったあなたはマニアック。

路子ちゃんは同志・・という言葉が一番近いような気がするのだけど、私の尊敬する男前な姉さんです。昨日たまたま書いた「勇敢な女」の理想型であり、私がこの世界の中でとっていきたいスタンスを一歩先に踏む修行者。


彼女と会うと「あー、今日だいぶダメだったなー。でも路子ちゃん頑張ってるなー、私も頑張ろう!」って思えるのよね。


師としての愛情の現れとして生徒への厳しさを貫き、それ以上に自分に厳しい孤高の騎士のような人でして、良き友でもあります。最近は中国で中国人の方の為にワークショップをしたそうですが、中国人相手のクラスは、私のやってるインド人相手よりも間違いなく大変であることが予測出来、ちょっとビビる私。

ひっそりと潜伏している凄い人、路子。自分に正直でいれるということは強さの証しだと思うけど、それは、これまでの人生でどれだけ彼女が、自分のなかの弱さ、狡さ、怒り、恐れ・・といったネガティビティと戦って打ち克って来たか、その証しとも言えるでしょう。やさしい、楽しい、路子ちゃん。大好きさ。

その戦いをすっとばそうとする人が多き今日この頃だけど、向かい合わなきゃ、無いよね、先は。だって自分のことは騙せないからね。

私はSwami Sivananda Sarasvati の、路子ちゃんはSwami Yogananda Paramahamsa のそれぞれ系譜の中にいるのだけど、まったくもって一つの真実を共有しているという認識をなんの垣根もなく最初から共有出来る数少ない友人です。


本当にさ、本当の友達っていうのは嬉しい存在なんだよね。
嬉しいというか友達の存在は祝福そのものだ。



だから今回のイベントのタイトルは「Yoga Friends 2013」にしました。


2005年、私は東京のYOGAJAYAというメッチャTOKYOっぽいところで「ヨガの先生」というものになりました。インドでスワミジを手伝うようになって退きましたが、先生も生徒も、日本人も外国人も、垣根が無く、なんだか知らずに打ち解けあっている銭湯のような変なスタジオでした(都会なのに・・・)。沢山の素晴らしい出会いがあった、温かい、思い出深い時代です。なので、今回のラインナップは全員YOGAJAYAで出会った先生方。アシュラムのシータマじゃなくて、在りし日のYOGAJAYAのYUMIKOになりますよ!


教え始めて9年目の今年、ここはひとつ感謝祭を打ち上げようじゃないか。この東京で。地方から来られる方、女子用のカプセルホテルなら任せろ!バックパッカーズなら知り合いの働いているところがある!


※ 冒頭の写真は、2009年にマレーシアの路子ちゃんを訪ねた時の写真。バトゥケイヴというムルガンを祀る洞窟に行ったのですが・・・

『(左から)ヴィシュヌでしょ〜、ナーラダでしょ〜・・・っつ〜かこのオウムのポッポちゃんは誰〜っ!?』

・・・と当時は思ってたけど、インド人化した今なら解る・・・。ガルーダですね、ハイ。インド人的には鷲なんだよな・・・トホホ。


2013年5月28日火曜日

勇気

あれよあれよ、というまに首を横に振らなくなり、日本での暮らしの波にザザンッと乗った。週末大阪ですけど、今年もホットな夏になりそうです。

このブログ、毎朝起きたら開いてくれたり、楽しみにして下さる方が沢山居るのに、インドではだいぶサボっていたので、しかも、そのサボり性が身に付いてしまって困るので、今年の夏勤勉宣言します。

まあ、私は人間なので、日々いろんなことを考えていて、おそらく他の人よりも脳みそが落ち着かないというか、多くのことを考えているようで困るのですが、でもこんなこと思ったよ、というのは大切なことなんだな、って長いことインドで色んな国の人と接した中で知りました。

日本のしんどい点は、本音と建前のある文化、距離の計り合いが重要だったりするわけです。だからKYという言葉なんかが出来たりしてね。これが日本の文化だからどうしようもないんだけどね。でも黙っていたらそれは思ってないのと同じことなんだよ、ってことを我々はインドや諸外国の人との関わりで教わるわけです。インド人なんて全員スーパーKYだよ。それで何がいけない?って思う。

インドのずばぬけて良いところは、どんなに泣いても怒っても喚いても、誰もそのことで私を疎んじたりしないってこと。全ての勘定の存在をまるごとアルガママに受容する背景がインドにはあります。また、その背景のことをヴェーダーンタといいます。昨日泣いても今日かわらず愛してもらえる。変な国ですな。


これが、すぐお隣のスリランカになるとまた違ってて、スリランカは極めて日本人と似ている。感情のダイナミズムはあっちのが大きいけど、基本的に日本人とイコールで良いと思います。日本から旅行に行くならスリランカはとてもお薦め。インドから旅行に行くなら、ちょっと私はしんどいかなあ、そのギャップが。でも美しい国です。インドほど過酷ではないし、これからどんどん開発が進んで自然が消えて行く前に見て欲しいな・・・。小さい国土だから、もし大手の会社が開発なんか手をだしちゃったら、あっという間だと思う。


日本にいると、いろんなことを考えます。私は自分で思っている以上のアナーキストであり考える葦なのです。複雑にからまる本音と建前の社会で、誰も彼もがアメリカ人の10倍、インド人の100倍位考えまくって本音を燻らせる。でも自分の思ったこととは素直に付き合いたいなって最近はそんな風になってきた。ちょっと嫌だなと思ったら近づかなければいいし、いいなって思ったら近づいてみる好奇心があった方が良い。

私は「摘まれるのを待っている可愛いお花」みたいなのは嫌だ。本音と建前の狭間で打算に生きる女になりたくない。ではどんな女性でいたいか・・・と言われたら、たぶん「勇敢」な女性だと思う。自分に対しても自分以外に対しても。

勇気という言葉は日本語で一番好きな言葉です。
阿久悠の詩をまた思い出してしまう。




傷つけないようにハッキリと言い
侮辱を感じさせない態度をしたら
あとは 自由に生きなさい
強く生きなさい
自由で強くてやさしい子を
凛としていると言います
凛とした女の子になりなさい
凛とした・・・
近頃いないのです


(「凛とした女の子におなりなさい」阿久悠 より)

2013年5月26日日曜日

おちついた!

おちつきました。

って何が、って話なんだけど、昨年と違い帰国後わりと早く住処が決まりまして、先日横須賀から帰って来たその足で、話題の「シェアハウス」とやらに落ち着きました。インターネットも落ち着いて出来るので、とりあえずその旨をお伝えしたかったの。近況報告です。

まずはですね、このシェアハウス、素晴らしいです。3階建ての元二世帯住宅なのですが、私はその3階部分のもと納戸と思しき屋根裏部屋にいるんですね。


これこれ。まだ未完成だけど、IKEAで買っておいた可愛い布がカーテンとして活きました!カーテンの向こうに寝床を作った。寝床の手前には瞑想スペースとして祭壇。穴倉感がたまりません。

とはいえ一日中、この窓の小さな暑そうな部屋にいるのは息が詰まる。しかしです、3階にはもう一つ大きな屋根裏部屋が!ここは共有スペースなんだけど、滅多に人が上がって来ません。奥の書斎コーナーで仕事も勉強もしまくり。


素敵でしょ?大家さんもとても良い方で、安全に暮らせることが何よりもありがたいです。すべてはご縁。感謝。


さて、近況ですが、東京のサットサンガに来てくれた皆さん、ありがとう。たまにジャヤガネーシャみんなで歌うの、いいですよね。8月には大阪でも企画していますし、東京も定期的にやるべきだよね。検討します。


それと横須賀ね、アリフ・カーンとジミー宮下さんのコンサート。良かったです。アリフはマイクで集音した音をMacをミキシングしているようなんだけど、音の好みが、割と現代的というか攻めてるっていうか、ベースアンプで言ったらチューブではなく高性能のトランジスタっぽい音ですね。なんだかね、私は攻めのロック魂を感じました。多くのタブラプレイヤーがメロディー楽器との絡みの中で美味しさを出して行くわけですが、彼の場合は彼自身がエンターテイナー、主役級というか、立ってるんですね〜。ベーシストで言ったらレッチリのフリーくらいの存在感。クラシックの枠を、カタチではなくてサウンドで打ち破る新しい時代のスターだなあって思ったよ。目から鱗。


そしてね、それを包み込んでしまうジミーさんの大きな優しさがくっきりと見えたように感じました。染み入るように・・・。これはだいぶ贅沢なコンサートでしたね。





で、この貴公子がですね、なかなかやんちゃな高校男子みたいなキャラクターで、コンサートの後がもう楽しかった。果てしない一発芸大会やら、映画プロデュース妄想ごっこして深夜2時まで遊んでしまいました。ノンアルコールですよー。アリフはその後パソコンで映画みて一睡もしてません。若いっていいね・・・。

アリフはねえ・・・攻めてます。ハイ(笑)。ムンバイにいったら遊びに行こうと思います。お別れの前にみんなでパチリ。




さて、いま私が計画しているのは、ヨガジャヤで教えていた時の楽しかった感じを再現したろ!ってことでして、7月13日(土)に原宿で一日ぽっきりのヨガスタジオを出現させます。私の隠し球、尊敬する山中路子センセイをフィーチャーしてやっちゃおうと思う。山中路子、太田有妃子、サトーリー、そして私の4人がクラスを受け持ちますよ。ラストには夢にまでみた路子ちゃんと私のコラボで瞑想をしたいと思ってます。JAYAファンだった皆、7月13日は空けておくように!

ああ、もうこんな時間。また明日!





2013年5月17日金曜日

ただいまのご挨拶。

久しぶりのニッポン。帰って参りました。地上に降り立った時は異国に来たような緊張があり、頭の中も完全に英語なので「ああ大丈夫かな、この国に馴染めるのかな」と不安になりましたが、速攻で馴染みました。さすがアタシ日本人!

さて、ヴァルカラからどのような経路で帰って来たかというと・・・

一旦アンボリまで北上、そこからマンガロールまで戻ってスワミジと合流して2日間の車旅。シュリンゲーリの山の中でキャンプまがいの一晩を過ごし、マンガロールでスワミジに、ムンバイでゴパールジにサヨナラしてブッダガヤ、コルカタ。。。移動距離だけでも大変なのに、かなりの擦った揉んだがありましたよ。おもしろいのでこれはまた別の機会にお話ししましょう。


コルカタからシンガポールに飛び、スワミジ達と再合流、プログラムをお手伝いさせて頂きました。嬉しかったのは、Facebookを見て私がシンガポールにいると気付いた「ニルバン君」が会いに来てくれたこと。


ニルバンは仲良しのマキシムの弟で、最後に会った時はたしか彼は20歳くらい。ヒョロヒョロで無邪気な少年風情でした。シンガポールに働きに来て「チャラい男になっていたらどうしよう!」と心配だったのですが、お父さんにソックリの好青年になっていて私はとっても嬉しかった。お父さんというのが、私が最もなりたい理想の人物像です。これには二人の兄弟も異論は無いでしょう。ニルバン、背も伸びてガッチリして、本当にイケメンになっていたので、写真を撮り忘れたのが悔しかったー。

2009年、私の隣がニルバン、その前にマキシム。



さて、シンガポールを後にした私。休暇のためのタイを経て、東京行きの飛行機に乗る為にマレーシアへ。すると、現在中東で働いているお兄ちゃんの方のマキシムが偶然5日間だけ滞在しており、またも会いに来てくれました。

この家族には本当に縁があるみたいで、彼らのお父さんにもたまたまマレーシアで会ったし、彼らの師匠にも日本で再会できたし、ことにマキシム本人とは、ナンダカンダで毎年会えている。マキシムの婚約者とも、彼女が中学生の時に日本で再会している。結婚式に絶対、絶対いけますようにー!


面白かったのはですね、シンガポールで気付いたのだけど、自分の首が、シンガポールでもタイでも縦振りに戻ること。これがマキシムとお喋りしている時には例の「インド横振り首」になる。不思議なことにマレーシア人と話している時のマキシムの英語も、マレー訛りになるのね。訛りというか語尾に「ラー」が付く。「How are you ラー?」「Okayラー!」ってな感じ。ラーといい首といい、サイコロジカル〜!と二人爆笑してしまいました。どこかで正直に頑張っている友達が居るから、私も頑張れる。

2013年。


 2008年。


深夜に着いた羽田近くのホテルで懐かしのテレビを見ていたら、インド人とネパール人を見分ける方法というのをやっていた。


ペットボトルの水を口飲みしなかったら「インド人」
片手の指で15まで数えたら「インド人」
このステンレスの棒を見せて何か解ったら「インド人」
肯定のときに首を横振りにしたら「インド人」

などなど。

やばい、私はインド人だったか・・・。


2013年5月12日日曜日

横須賀おしらせ!

「メディテイティブ・ヨガ・セッション120分」
日時:5月21日(火)19:00-21:00
場所:Yoga Sala PREMAL (横須賀)
参加費:2500円
講師:寺崎 Sita 由美子



呼吸を意識したストレッチとアーサナで、全身のシステムに深い呼吸をさせて神経バランスを整え、その流れから瞑想へと入っていきます。一日を静かに締めくくる為の120分。おやすみ前のひと時に私達の本質である平穏へと立ち還ってみませんか?
詳細←クリック

おやすみ前のヨガの形をひとつ提案させていたこう、ということで、またまた横須賀にお邪魔させていただきます。私はですね、アーサナの実践に関しては、鬼クラスも凄く得意ではあるのですが、本当はこういうことを皆さんにお教えしたいんだと思うんですよねぇ~。でも、現代のヨガ市場では中々需要(?)がなくて・・・なので今回はとても楽しみ。湘南方面の皆様、お仕事の帰りに是非お立ち寄りください。


そして、これはひじょ~に密かではありますけど、あるイベントの序章なのです。
さ、そのあるイベントとは・・・




「ジミー・宮下(サントゥール)&アリフ・カーン(タブラ) コンサート」
5月22日(水) 19:00 会場 、 19:30 開演、21:00 終演 

場所:Yoga Sala PREMAL (横須賀)
前売り券 2000円、 当日券 2500円

詳細←クリック


が、がーん!ご存知の方も沢山いらっしゃると思います。インドはタブラ界の貴公子、アリフ・カーンが横須賀にっ!そう、来ちゃいますよ!

手の届きそうな至近距離でお二人の演奏が楽しめる、貴重すぎるチャンスです。会社を早退して来て下さーい!当日早めにいらっしゃる方、私と一緒に歌でも歌いながら会場を温めましょう!

ジミーさんとアリフさんの共演は、2年前の横須賀でのジミーさんのコンサート直後に都内で拝見しました。アリフさんは本当に若い。すごく、なんていうんだろう、ハリのあるピチピチした演奏をなさいます。

そういえば、ひょんなご縁で横須賀でに来ていただいたアビシェーク・ラヒリ氏も、だいぶサロード界の貴公子でしたね~。インド大使館でのコンサートは凄いことになっていました。

しかしですよ!ラヒリ氏の隣でタブラを叩いていたオジサン、パルタサルティ・ムケルジー氏も実は貴公子だったということが発覚しました。先日インドにいるときに、「パルタジっていうオジサンに知り合って、凄いタブラだったんだよー!」と話したら、実はヒンドゥスタニ音楽に詳しいゴパールジが「パルタジのお父上はラヴィ・シャンカールと一緒に演奏していた人」ってこと見つけてきました。


コルカタ出身のアビジとパルタジとカレーを食べながらの話

私「コルカタといえば昨年はアリフ・カーン見てきましたよ!彼のこと知ってますか?」

二人「どのアリフだ?4人位いる!」

私  「若い人ですよ。」


二人「4人みんな若いんだよ~、はっはっは~!」


実にインド的なのどかな会話でした。




つくづく貴公子にご縁のある横須賀PREMAL。平日ですが、是非足をお運びくださいませ!









2013年5月10日金曜日

くらび日記8

5月9日(木)

やはり、朝の干潮時に船が出せないということで、一日早めて明日の午後発つことにした。マネージャー氏がお別れディナーに招待してくれる。インドへのホームシックもようやく消えて、ここに慣れてきた頃にはやっぱり出発しなくてはいけない。私の性格がこうなもんだから、面倒くさいと思ってしまったりもするが、マネージャー氏は本当に性格が良くて好青年だし、真面目。どこか純朴でかわいいところがある。本当にありがとう。

帰り路に例のファイヤーダンスのバーで、他の宿泊客(オージーの男性とデニッシュの女の子2人)を発見したので、私達も合流して、しばらく座った。

10時まではアコースティックライブで、おじさんの後にDJのムキムキマンが出てきた。ギターも歌も凄く上手い。お客をぐっと引き付けて盛り上がっている。世界中どこにいっても食いっぱぐれは無さそうだが、実は彼はマレイ人なのだそうだ。云われてみれば、ムキムキさえ隠してしまえば、骨格は小さく華奢、マレイボーイ独特の可愛い顔をしている。どうりで他のスタッフとは毛色が違うというか、英語も流暢というか。ファイヤーダンスにしても歌にしても、何をやらせてもハイクオリティーでアトラクティブだし、彼の活躍でこの店が大繁盛しているといっても過言ではなかろう。

何がどうしてマレーシアからこんなところに来ちゃってるんだろう。自分もインドくんだりでヨガ教えたり、事務をとったり、食べ物を配膳したりと、他人のことを云えた義理ではないのだが、いろんな人生があったもんだ、とシミジミする。服装の感じが心なしかゲイっぽいので、そういう理由もあるかも知れないと。あの封建的なイスラム社会で同性愛者の存在は許されにくいだろうし。

今日のファイヤーショーは5人だけ。前回の盛り上がりは、パフォーマーの一人の誕生日を祝いに近所の若い衆が応援に駆けつけていた、ということだったらしい。10代とおぼしきあのレオパード軍団の鬼気迫る演技が見れなくて残念だったが、ムキムキマンは今日もとてもカッコいいパフォーマンスをしていた。ここでの最後の夜であった。


レオパード軍団は、昼間は一生懸命スケボーの練習をしているか、ゴミを船に積んだり何かしら動いていて、勤勉に働いている礼儀正しい少年達である。インドのビーチの不良たちはトコトン西洋人にすれて、かぶれて堕落していくが、ここでは勝手が違うらしい。


5月10日(金)

いつしかここに愛着が出てしまった。

満ち潮のうちに、最後に海を見に行く。相変わらず美しい海。

まさに天国での2週間だった。

天国にきたからには、またシャバに帰らねばならない。

少なくともノート一冊分のスタディーも終わった。

また、きっと帰ってくると思うよ。

感謝。




2013年5月8日水曜日

くらび日記7

5月7日(火)

浜から結構遠くへ泳ぎ出ている。自分は最も泳げない部類に属する人間って思っていたが、思い込みだったのかも知れない。他の人達をみてみると、9割の人は浅いところでバサバサやっている。もしかして、私はちゃんと泳げる人?ザンザンと迫りくる波が恐ろしいので「海なんて嫌い!」と決めていただけなのかも知れない。

1回入ると、少なくとも30分くらいは泳ぎ続けるが、今日、右の中指の先がプルンとした禿頭みたいなものに触れた。クラゲの頭に触ってしまった。

「ひゃあっ!」

とか声に出して驚くのも楽しい。誰もいないし、海と魚とクラゲだけが聞いているだけだ。ほぼ毎日クラゲの赤ちゃんには刺されるが、この美しい海において完全な保護色、つまりキレイに無色透明なので本当に困る。


立ち泳ぎをしながら崖のほうを見やる。壁面にポッカリが開いている見慣れた穴は、もしや私たち探検隊が洞窟から出てきた場所なのか?大分高い位置にあるようだ。あの時、近くに竹の梯子が置いてあったのを記憶しているけど、目を凝らすとやはり梯子が見える。間違いない。



あの梯子はいったい誰をどこへ導くものなのか。あとでマネージャー氏に聞いてみたら、クライミングの人を導く梯子だそうで、クライミングって、どこへ?と更に問うと「頂上までだ、僕も4ヶ月前に登った」とのころ。びっくりした。だいぶ高いようだが・・・。中国人の友人と二人、9時にスタート、交互にビレイしながら登坂し降りたのが19時だそうだ。

今日はマネージャー氏にといろいろとタイのことを尋ねてみた。

・タイの男はみんなムエタイが出来るらしい。子供時代に大抵近所のジムに行くから。ジムは2km四方に一軒くらいの割りである。

・「ドラえもん」は少なくとも30年くらい前から放映していたらしい。

・この辺の男はみんなファイヤーダンスがちょっと出来る。スポーツというか遊びみたいなもので皆できる。(なぜこんなこと聞いたかというと、先日のファイヤーショーのパフォーマーが、そこら中のレストランで注文を取っていたりするのに気づいたからだ。あれは熱くないのか?の問いには「熱い」との答え。)

などなど。




5月8日(水)

あっというまに月日が過ぎて、ここでの美しい暮らしも残すところあと3日となった。とても名残惜しい。あと3日、あと3日、と先のことを考えてばかりいたら、今が勿体無いので、瞬間、瞬間をしっかり噛み締めなくてはいけない。

朝のビーチへの道すがら、とても幸せな人生だった、としみじみ思う。まだまだ生きる気満々ではあるが、中間発表としては、そういうことだ。

「いい経験いっぱいした幸せな人生だったなー」

と、私は満ち足りた気持ちで死ぬことが出来るだろう。さまざまな経験を通して体験した「自分自身」に満足しているだろう。


死ぬ時に思うことが

「お金がいっぱい貯まったなー」

とかだったら、とても侘しいだろうな。さすがにどんな馬鹿な人でも、死の間際には「お金は持っていけないかも」って気づくでしょう。お金こんなに貯まったなー、でもお金はあの世に持っていけない、来世にも持っていけない。





日本から持ってきたシリコン製ティーバックと蓋、可愛い雑貨に興味のない私としては高価な品物だ。ここに来るためにインドから持っていた湯沸し器はまだ壊れずに大活躍している。インドでは電気ケトルを持ってるし、悠長に茶葉をつめたりしている時間はないので、今はなんだか贅沢。蚊取り線香も、シャンプーも、洗剤も、コーヒー豆も何もかも、重かったけどインドで買って持ってきた。タイで買うよりずっと安い。それらが少しずつ減っていくのが嬉しいようであり、また寂しくもある。休暇が終わろうとしている。

それにしても、食べても、食べても、毎日お腹が減って困る。そんな時にお腹が減った人の本など読むと、投げ出したくなるくらい。今日はヴィヴェーカナンダアシュラムで買ったオイルと、カルプーラーディオイルを混ぜたものでセルフアビヤンガをしたら、ものすごい汗が噴出して、余計にお腹が減って困り果てた。Ayurvedaとは本当に凄いよ。


2013年5月6日月曜日

告知 『小さな勉強会 ウパーサナ・サンガ 大阪』

Om Om Om







皆様、お元気ですか?私はいつも通り。元気ですよー。


昨年、東京で2クラス稼動していた勉強会「ウパーサナ・サンガ」。
今年は初の関西でのサンガですが、全日程が決定しました。

この勉強会は単発のワークショップなどとは違い、先生と生徒が継続的に集まって、疑問を解決し、学びを定着させることを目的としています。

な・の・で・・・、基本的にコースみたいな感じで、全日程に出席してただくことが参加の条件となります。でも心配しないで。土曜はどうしても仕事でねぇ・・・という方もいらっしゃるかも知れませんよね。その場合はご相談ください。あくまでも、この数ヶ月は「継続して」ということに重点があるだけですので。


世の中には二種類の「モノ、対象物」があるって知ってた?

① ゲットすることで得ることができるもの。手に入れることで得られるもの。
② 知ることで得られるもの。知ることでしか得られないもの。

知識というのは②番なんです。それ以外のものは全部①番って・・・考えてみれば当たり前か。

しかしこの当たり前が、混乱してる気がする今日この頃です。お金を払ってワークショップやらTTCやらに出れば「知識」が得られると思っている人が多い。違うのよ、自分自身が「知る」ことをしないと、実はお金が勿体無いだけのこと。根気を追求が必要なのです。学ぶって言うことは簡単にいうとこういうステップです。


①教えを聞く (Sravanam)
②教えを熟考する (Mananam)
③教えと一体化する (Nididhyasanam)

Nididhyasanam で初めて人は知識を得る=知るわけだけど、多くの場合Sravanam 止まりな気がしません?



全3回で一回の開催は2日間です。一日の実質勉強時間は8時間ですが休憩含め、ガッツリ8時間くらいの本気のお勉強会になると思います。


受講料は、私が数字が苦手で面倒くさいので、 60分1000円という「てもみん」みたいな計算(なんじゃそりゃ~!)に基づくものなんですが、2日-12時間で12000円。今回レンタルスペースを終日借り切るので、その経費と私の交通費を負担してくださるとのことで、その分がプラスになるそうです。18000円前後くらいの間で調整になると思います。



現在、神戸在住のまりさんを発起人として中心に学びたい人が数名集まっていますが、お近くでご希望の方はがいらしたら、あと5人くらい大丈夫だと思うので、右の連絡先の私までご連絡ください。Sivananda YogaのTTCでやったのが「目次」みたいな感じですので、ここでは、その内容を掘り下げよう!といったところかな。


ということで概要です。詳細は参加者の方に直接お知らせしますね~!


【ウパーサナ・サンガ Surya クラス (大阪)】 全3回 (6日間-36時間)

日程:第1回 6月1日(土)、2日(日)
    第2回 8月3日(土)、4日(日)
    第3回 9月21日(土)、22日(日)

場所:大阪市北区

暫定スケジュール:9:30 ~ 17:30
講師:Sita 寺崎 由美子
参加費:各回(2日間)18000円前後で調整中

内容: インド思想、ラージャヨーガ、ヴェーダーンタ、ハタヨーガ理論、サンスクリット語基礎

※事前の参加申し込みが必要です。ご希望の方はご連絡ください。
 marinco39@gmail.com (ハヤシマリさん 迄)またはSita本人へ。








くらび日記6

5月4日(土)

快晴。午前中、天気が良いうちに、と思いビーチへ行ったら、マネージャー氏と他の泊り客らがボルダリングをしていた。しばらく見ていたら私もやりたくなって、着替えに戻って一回だけ登ってみる。クアラルンプールのCAMP5で二度遊んだことがあるが、アウトドアは初めて。

例によって泥棒のようなスピードで登っていたらしく、瞬く間に登坂は終わってしまった。降りてみると「速い」、「上で、景色も全く見てなかったよね」と皆が呆れ顔。なんだ、この感じは。どういう風に登ればいいの?CAMP5でもそうだったが、それよりも昔にどこかで同じような事があった。


そうだ、一度だけスキー旅行に行ったことがあったが、あの時だ。「速い」「リフトから見ていたが、バカな人みたいだった」「誰かと思ったらアナタだった」・・・等々。まとめてみると「ボーゲンであんな速度で滑ってく人は見たことがない。変ですよ!」ということなのだろう。こちらも瞬く間に一滑りが終わってしまう。スキーの楽しみは速度感だと思っていたが、そういう訳でもないのか。分からない。

スキーは道具を扱うテクニックが要るけど、クライミングは素手だし、本能のままに登ればいいのでなんのことはない。今日くらいの壁は全くもってナッシングである。下を見たときに、どう恐怖心と戦うか、ということなのだろうが、これは一瞬一瞬の一挙手、一投足に集中あるのみ。



一行はこのあと隣のビーチへ抜ける洞窟へ行くというので、私も付いていく事にした。





中華系マレーシア人の彼らは男2人、女4人のグループで、カレッジの同級生だそうだ。洞窟は真っ暗。川口浩探検隊のような状況だが、誰もヘッドランプを持っておらず、携帯電話の明かりで進む。どうやらそういう時代らしい。



色白でポッチャリ眼鏡の男の子が高所恐怖症で、1m位の壁ですら「ああっっ!ひいっっ!」と泣きそうな悲鳴を上げるのが、ぎゅっと抱きしめたい位に可愛い。彼が洞窟の出口から降りられたことは奇跡のようで、皆で喜んだ。






20歳くらいのグループ。スクスクと若く健全で、しっかりしていて、みんな可愛かった。夕方も一緒に泳いで、夕食も一緒に食べ、夜はバーにファイヤーショーを一緒に見る。


10時過ぎに外に出るなんてのは好きではないが、結果的にファイヤーダンスはとても楽しめるものだった。ファイヤーダンスというと、部族的な太鼓に合わせて火を振り回すのしか見たことがなかったが、今までのは何てドンくさいお遊びだったか。

メンバーは、さっきまでDJ卓にいたムキムキマンと、昔の暴走族みたいな眉毛なし、昨日弾き語りをしてギターをとちっていた良い声のオジサン、等の従業員チーム。旅行者であろう西洋人の女の子。いつもスケボーに乗ってウロウロしている全身刺青スキンヘッドにキャップの若いスケーター達、総勢8人くらいか。


ムキムキマン以外のスタッフチームは年齢のせいか大したことは無いのだが、ウロウロ少年たちの演技が凄かった。しなやかなレオパードの様な体躯で、長い棒やら、紐やらを火が消える程の高速で振り回しつつ、縦横無尽に飛び、反り、踊る。スピード感。単なる不良かと思っていたが、こんな凄技を身に付けているなんて、どれだけ練習したんだろう。私は、ひた向きさが垣間見えるものが好きなのだ。もっとも彼らにとっては練習も遊びのうち。単に無心に楽しんでいるだけなのだろう。そういうのは、男の子特有だと思う。


それにしても、余分なものの削ぎ落とされた体には凄みがあって見とれてしまう。私は凄みのある体が好きなのだ。そこに見える野生、俊敏、バネ、強靭、粘り、鋭さ、柔らかさ、速度。だから私も凄みのある体になりたくて、そして多分、まあまあ実現していると思う。


今日は一日ただ遊んでしまった。こんな日もあるさ。






5月5日(日)

昨日は一日遊んでしまったから、今日は仕事と意気込んでいたのに、ネットに繋がらない。iPhoneの方が繋がったので調べてみたら、


「良好に接続していたインターネットが、ある日突然使えなくなる」

のは、Windows7で頻発している現象らしい。セキュリティー機能ということになるのだろうけど、どういうご機嫌でか信号を読むのを拒絶してしまうらしい。


Web上にある情報を集めに集めて、朝から夕方までありとあらゆることを試し続けた。初めてコンピューターに手動で指令を出してみたり、ドライバーを削除してしまって、慌てて復元させたりもした。デフォルトゲートウェイだとかIPアドレスだとか、DNSだとか、いままで自動で取得されていたものを、手入力して、接続を復活させることに成功したが、接続があってもウェブの閲覧が出来ない。最終的にIPアドレスの末尾をある255と0以外の数字に変更し、遂に解決。6時間半かかってしまった。サブでiPhoneがあったから出来たことだが、根気よく苦手を克服したことに達成感。


一日つぶしてしまい残念なようだが、雨模様だったから良しとする。日没間際に雲が晴れたので泳ぎに行く。嘘みたいな凪、静けさ。だいぶ深いところに出ているが怖くはない。ふかふかと浮かんで水中シャバーサナすると、二つの水晶体から360度の世界が見える。パソコンと睨めっこで疲れた目が楽になった。




5月6日(月)

夜遅くに寝たのに、早く起きた。気持ちの良い快晴は逃してはいけないので朝食後に泳ぎに行く。

水は極めて透明で、もうピピ島なんて行かなくてもいいや、と完全に思っている。ピピ島はディカプリオの映画以来人気が出て、若い人とバーが多く、毎晩パーティーだそうだ。


空の青さを受けとめる水の中で遠くを見ると、ティファーに二ーの箱のような優しいマリンブルー。ゴーグルを持っていないので深いところでは魚は見えないが、浅瀬ではメダカみたいなのや、赤ん坊のくせに立派に縞々な奴とかがいるので、いるはいるのであろう。



ここに来てから、体がだいぶ緩んだというか、ニュートライズされたような気がする。マッサージという言葉にもはや魅力を感じないくらい。ここまで腹をくくって休暇を楽しんだのは初めてなので、こういうことは初めて分かったのだが、ニュートラルに戻す、ということは肉体にとっても精神にとっても大切なことではないか思う。フランス人は毎年こんなことをしているのか、と羨ましくなる。実に豊かである。顔に麦わら帽をかぶせてゴロ寝。麦わらの隙間から見える風景。




40バーツ払ってダイヤモンドケイヴという洞窟に入ってみた。綺麗な鍾乳洞であるが奥行きは短い。正直タイの洞窟はあまり好きではなくて、なぜかというと獣臭いからである。蝙蝠の家(天井)の下に糞が集まるが、蝙蝠は掃除をしないので。洞窟やら滝などは日本のものの方が清廉で好きだ。


昼過ぎて戻ったら雨。ずっと雨。お陰で頭の中のお仕事には大変集中できた。午前に泳ぎに行ってしまって正解。




2013年5月3日金曜日

くらび日記5

5月1日(水)

とうとう2013年も4分の1が過ぎてしまった。起きてみると大胸筋がすこしだけ筋肉痛というだけで、他はなんともない。同年輩のみならず、もっと若い男女でも、全身筋肉痛は必至である。例によってヨガ恐るべし。しかし上には上がいるもので、その辺の鍾乳石で練習しているクライマー達はまるで猿のようだ。ロープもハーネスも付けず、天井やら柱やらにぶら下がっている。いったい何を考えているやら・・・というより凄いの一言。



空は晴れ清々しいのだが、なぜか気分が晴れない一日。本を読んだり、仕事をしたり、泳いだり、いつも通りなのに、どうも良くない。例の告発メールに続きがあったからか。


某聖職者のセクハラを彼氏に愚痴ったら、彼氏が激怒して要所に抗議のメールを送ったというのが今回のストーリーだったらしい。彼氏のしでかしたことに「スミマセン」と詫びつつも、「あのスワミにもう来訪して欲しくない」との意思表明。それに対し本部役員会が「対策窓口を外部に設置したので、文句のある人はそちらへ言ってください。さもなくばこんなことは噂にもしないでください。」ということ。なんだそりゃ。全体的に、あきれて物も言えん・・・・。役員会も役員会だし、被害者の人もまだしがみつく?徹底的に毅然としないといけないよ。パワーにおもねってはいけないよ。


この手のセクハラは、パワーハラスメントであり、弱者への暴力である。殴る蹴るのと一緒。人権の搾取だよ。搾取されるのはいつも弱いもの、貧しいもの、女、そして子供。


もう、暴力はごめんだ。


嫌な気持ちを静めようと放浪記のページをめくっていたら、そこから黄色い押し花が出てきた。一瞬思い出せなかったが、これはサジットがヴァルカラを訪れたときにくれたシヴァギリアシュラムのお寺のプラサーダだ!トゥラシマタと一緒に、サジットはとってもスイート!とほっこりして二人で押し花にしたんだった。


今日の天使は埃っぽい本の隙間にいたね。



どうもマネージャー氏に気に入られている感がある。夜、ツバメの巣の甘いスープの差し入れを持ってくる。おかしなことはしないし、しつこくもないし、真面目な青年だが、面倒だと思う。




5月2日(木)

こうして日記でもつけないことには、今日がいつで何曜日なのか、さっぱりわからなくなる。何は無くともこんな贅沢な環境での暮しは、人の反感を買うだろうか、反感を買ってそのお返しに蔑まれたりするのだろうか。あの人は稼がないでダラダラ過ごして、と。日本から完全にはみ出してしまっている気がする。なんでもボチボチがいいんです。それに全員がボチボチにすればもっと失業者が減るんじゃないかって思う。

午前中に泳いで、というプランは速くも却下。潮の干満の時間がずれていってしまうため。このタイムテーブルは意味が無い。自然のリズムに私が合わせるほうが、きっと理にかなっているのだ。


ようやく勉強の方もエンジンがかかってきて、午後2時くらい机の前。スワミジの話を、要らない紙~みんなが置いていったノートの余白とか、印刷ミスの裏紙とかに書き取ったものを、ノートにまとめて清書していく。器用なことに、話を聞きながら、手は別に動かす芸当が出来るようになっていて、どの生徒さんよりも必死でメモを取っている。私の講義の情報ソースはここにあるのだ。スワミジの一言一句をジイ~ッと聞いている、そこなのだ。

一度オフィスの引越しの時に行方不明になり、「無い無い」と言って毎日しつこく聞いて回って皆に迷惑がられたけれど、この紙切れたちは私の命と同じくらい大切。すごい執着がある。


当初の予定ではこれは一日でパーッと終わらせてあとは翻訳、の筈だったが、よく見ると厚めの文庫本ほどの情報量がありそうだ。終わるのだろうか。日本に帰る前に絶対終わらせて、荷物を軽くしたい。



この夏の日本での住まいを検討し始めており、暮らしを想像するのはとても楽しいのだが、同時に凄いホームシックにかかっている。インドシックか。ここには西と東に一軒ずつ仕立て屋があって、当然そのどちらもインド人である。みんながゆったり服でリラックスする南のビーチで、パリッと着たYシャツをスラックスにインしているのはインド人しかいない。どちらのテイラーもスーツがメインでお呼びではないのだが、恋しさに無闇に店の周囲をうろうろしてしまう。完全にテイラーを意識しているが、

「スミマセン、インド人の方ですか」

と声をかけるのは意味不明でさすがに躊躇われる。もっと気楽な性格に生まれついたらよかった。海に沈み行く太陽を見ても、ああ、あの太陽インドに行くんだな・・・と思って侘しくなる。



メモからある日のスワミTのお話。これらの「お話」が大好きだった。


男がビーチを歩いていて振り返ると、いつも二人分の足跡がある。この一つは自分ので、もう一つは神様のものだという。神様いわく

 『I'll be with you always for helping you.』

ある辛い時期、背後を振り返ってみると足跡が一人分しかない。それで男は文句をいうのです。

『いつも一緒だっていったじゃないか!なのに僕の一番苦しいときに貴方はいない。騙したな!』


すると神様がこう答えるのね。

『あの足跡は私のだよ。今私は君を背負って歩いているんだよ』 


これはなんだか泣けるお話。




5月3日(金)

朝大雨。満員電車に乗らないでよくて、あとは屋根があれば雨さえ嬉し。


テラスに座って雑事をこなしていたら、ザザーッと木が揺れる激しい音がして、何の気なしに目をやると、先日みた猿が。めがね猿と思ってたが、図鑑でしらべたら全然違う。メガネをかけたような顔をした顔の黒い、顔の周りの白い猿だ。図鑑には載っていなかったが手長猿の一種か。

やがて屋根からヒュウッと木に飛び移ってジャングルに消えていったが、なんとなくその悪そうな動きとか顔の白黒とかが仮面ライダーのショッカーに似ている。


連日、外でワッサワッサやっていたのは庭師かと思っていたけど猿だったか。マンゴー持ってきたのもこの子達に違いない。よくよく考えてみたらリスが自分よりも重いマンゴーを小脇に抱えて、テラスに飛び移ってくるなんて不可能だもん。なかなか空は晴れてこない。毎日見ている天気予報サイトがまったく当たらない。涼しい一日。泳ぎもサボろうかな。




部屋探しはとても面白い。かたちが非常に変わった物件も幾つかあって、話の種に住んでみようかとも思ってしまう。