2017年6月18日日曜日

コルカタの風

大きな荷物を取りに実家に行ってきた。
インドからFedexで送ってもらってた荷物。

送るのに1〜2万円かかったけど、「インドにしては有りえないくらい本当によくやってくれたよ」という念入りな梱包だった。ゴパールジは「半額だし」といってやたら郵便を推してたけど、この4万ルピー、国外に出たら2500ドル前後で販売されるものをインディアンポストで送るなんて、ギャンブルが過ぎるでしょう。1万円ケチったばかりに、粗大ゴミになって届いても困る。


中に入っている新聞紙が、さっぱり読めないベンガル語、コルカタの熱風を感じます。私がインドのファーストステップ を踏んだ忘れ得ぬ土地ですわ。コルカタもずいぶんと都会化しましたが、でもやっぱり目には見えないとこにカオスが残留しまくりだったな。



ということで、中身はコルカタの憧れのメーカーのPaul & Co.の重い重い楽器です。サイズもでかいです。例のチューニングよれよれで、他の人と合奏出来ないBINAに代わる真打として、購入しました。でも、BINAもいちおう「チューニングはこれこれの基準です」と謳って売っているんだけどね、まあインドだからなあ・・・言うだけはタダだし。




ハーモニウムは「イギリスの楽器だよ」と昔、植木等さんの息子さんが教えてくれたことがあった。でも、もしかしたら最初に開発したのはフランスとかかも知れないな、なんて思えたりもする。だってポールという名前がなんだかフランス人みたいだし、いったいどういう経緯で、コルカタにこのフランスっぽいメーカーが・・・と思ってゴパールジに聞いたら、

「Paul ? ヒンドゥーの名前だよー!」

えー!なんで?どこが?

「ほら、パーヒマーンだよ!スワミNの十八番の ♪ヴィーナーパーニーの、♪パーラヤ パーラヤだよ!ゴーパールのパール。英語での表記を似てるの充ててしまってPAULって書いてるだけ。」

あ、そうなの、ポールじゃなくて本当はパールか!

私がいろんなことを知っているのは、ゴパールジのおかげだったりもする。なんだろう君の私に面倒臭がらずに、必ず答えを与えてくれる。大好きなゴパールジ。



パールは護衛、守り人のことだ。
ゴーパールだったら牛(ヴェーダ)を守る人、クリシュナ。

それならば私はゴーパールパールになりたい。
ゴパールジを守る人になりたいよ。

昨年末、ホコリとカビを吸いすぎて、私は気管支をだいぶ痛めつけてしまって今も咳が残ってしまってるんだけど、体調崩して部屋に引っ込んでいる私について、お父さん(スワミG)が「シータマは 前はこんなんじゃなかった。こんなに寝込んだりとかしないで、バリバリ動けていた!」とか言っていたそうだ。

あーーーた!

あたしゃもう45歳なんですよ!

あの頃はね、30代だったの、ヤングだったの!

まあ、お父さんの記憶の中で、永遠に若い姿でいられるのは、やぶさかではないけど、もうだいぶ中年なの、昔でいったら初老なの!

なんて呟きながら、そういやゴパールジもあの時まだ、60歳を少し過ぎた頃だったんだよな・・・・と切なくなった。ゴパールジにずっと元気でいて欲しい・・・。私の中のゴパールジは、ずっと元気で若いまま。となるとお父さんの気持ちも・・・・うーん、わからなくはない。


閑話休題。


このコンサートクオリティのポール君も、インドはインドなので、インドらしい点が多々ある。鍵盤が例によって引っかかって音が鳴りっぱなしになってしまう。これはいつも通り、隙を見て親指で弾き戻すしかないのだな。

肺活量の大きい素晴らしいベロウだけど、だからこそミシミシ音は二倍増し。みんな録音の時とかどうしてるのかなあ。近くにマイクとか立てないんだな、きっと。

チューニングは・・・ちょっとテストしてみないとわからないけど、本当にあるがままってことなんだよね、インドは、自然は私たちのコントロールの外にある。

昨年、何か使うことがあるかも、と思って持って帰ってきていたセートゥムンドゥ(ケララの2ピースサリー)がCDのジャケット撮影に役にたった。

今回もしもの為にということで買って送っておいた楽器だが、7月に役に立つ(と思う)。

しつこく念押ししないと事が運ばないインド。

ゴパールジが、メーカーにいろいろハッパ掛けてくれてお陰で、ちゃんと送られてきたポール君。

まずプージャをして、それからポール君と仲良くなるところから始めます。