2014年9月13日土曜日

ムナールに行って来た。Part3

ムナール。


インド人憧れの避暑地。


なんにもすることがない。


ここ、ホテルグリーンビューの受付にいる兄ちゃんは、馴れ馴れしくない代わりに、あまりにも無愛想で、こんなに愛想の悪いヒンドゥーに会った事がなかったので、勝手にムスリムだろう、と思っていた。

が、よくよく話してみると、ヒンドゥーらしい。


そこで、思い出した。ケララは非常に保守的な土地柄なのだった。ヴァルカラだって今でこそ近所の人と仲良しだけど、最初の一年目は犬でさえよそよそしかったもの。こんな山奥だったら尚のことだろう。


あまりにも退屈なので(大阪人になったつもりで)こっちからしつこく絡んでみると、しかし、ポツリ、ポツリと会話してくれる。


「タミル語の新聞読んでるの?タミルの人?ワナッカム、エップディイルッキングラー!オンガペールイエンナー?」

「・・・・・」

「ねえ、このカードのコテージだけどさ、コテージもやってるの?ねえ、いいとこ?」

「静かなとことだよ。」

「イドゥッキのセナパティーってとこに行くんだけど、そっから近い?」

「どこだって?」

「ラージャクマーリーからバス乗り換えるの。」

「通り道だね。」

「じゃあ、一泊したい。空いてるかな?」

「いける。」


ということで、翌朝「グリーンウッズコテージ」を目指すことになった。

バスを待っていると、無愛想な兄ちゃんがわざわざ追いかけて来て、目当てのバスに乗せてくれた。ヒンディー及び、英語の表記がないからだ。なんて親切なの!

「家族は?」と聞くと、「子供が二人、まだ小さい」んだそうだ。こういう島国っぽい保守的さに出会うと日本を思い出す。本当は優しいんだよね。ありがとうね。


アディマリ経由でラジャクマリで下車。速攻でオートリキシャーを拾う。いろんな人に聞き込んでくれて、無事に到着するも、50ルピー。これは結構ぼられた。一瞬がっかりしたけど、たったの100円なんだよね。そのお金で子供にアイスクリームでも買って貰えるなら、いいよね。





宿についてみたら、これまた強烈に無愛想な奥さんが応対。

「なんだかなあ」と思っていると、強面のご主人がバイクでやってきた。「バス停まで迎えにいったのに入れ違いになっちゃったよ!」とのこと。や、優しい・・・・。


どうやら私の泊まるのは「リバーグリーンヴィラ」で「グリーンウッズコテージ」は満室らしい。1階と2階に一部屋ずつあって、それぞれ1LDK、バルコニーとWiFi付き。これは絶対高いよ!と思ったけど、コテージが急遽満室になった為、私はこっちになったのだそう。コテージの料金でいいとのこと。う、嬉しい・・・。


もしや・・・「ツンデレ」とはこういうことを言うのではないか?

(違うかもしれないけど当たらずとも遠からずだろう・・・。)


ヴィラから少し坂を上ったところに、コテージがあって、夕食はそこで19時だそうだ。回りに食堂の類いは一切ない。ムナール以上に何もない。でもムナール以上の「何もない」がそこにはあった。私の求めていたのはこれだよ。

ああ、また来る事があったら、今度はここに長逗留したい、と思う。



実際に半年住んでいるフランス人がいる・・・と教えてくれたのは、バードウォッチャーのアメリカ人。やたら遠目が効く私が「ねえ、あの瑠璃色の、あれは!」と聞くと、望遠鏡で追って、あー、基本のキングフィッシャーだよ!と教えてくれた。

アメリカ人というのは、基本的におおざっぱでフレンドリー、お喋り好き。

「ここは最高だよ!すごく鳥がたくさんいる。初めて見るやつもいた!明日は早朝から川で張るんだ!」

お喋りついでに、フランスから来て住み着いている男についての情報を与えてくれた。


ディナータイムでその人に会うことになるのだが、アメリカ人とフランス人。この対比。私の中の劇場では、フランス映画のような、アイロニカルで退屈で、面白いストーリーであった。そのお話は、また次回に。


続く