2011年5月1日日曜日

beautiful world, beautiful days.



 昨日は最後の遠足と称して、来シーズンのアクティヴィティの下見にいってきました。ここいらは昔、シンドゥードゥルグという王国で、王様のシヴァジというのは、とても勇敢で人望のある武将だった雰囲気です。そんな王様の要塞の島に立ち寄りました。1600年代の後半に英国が攻めてきた時の攻防戦が繰り広げられた場所です。戦いの結果がどうなったかは聞きそびれたのでわからないのですけど。


 スワミジたちのお喋りを聞きながら、過ぎてゆく窓の景色を黙って眺めている、小さな小さな車のなか。なんの変哲も無い森の景色、村の生活、禿鷹の頭みたいな乾いた大地、少しは進んだように見える崖崩れの修復工事。なんでもないその風景の全てが、とてつもなく普通で、だからとても美しく、強く胸を打つ。珍しく鋭く叫ぶアニルの声。
「キングフィッシャー!」
フロントガラスを横切る瑠璃色の鳥、キングフィッシャー。道端で拾って初めて食べた、カシューの果実の渋み。海の水の温かさ。水辺で嬉しそうなインドの大人たち。


とても満たされた時間を、私は生きている。
たぶん生まれてからずっと。
そして一人思うのです。
「なんて美しい世界なんだろう・・・。」
なんでもないこの瞬間に。

 早いもので、4ヶ月半の月日が過ぎ、明日、私は、アンボリを去ります。4ヶ月もの間、ずっと同じところで寝泊りしたのは本当に久しぶり。何年ぶりだろう。大変なも沢山あって(というか大変なことがほとんどで)、めっきり老け込みましたが、いろんな意味で、本当に貴重な4ヶ月でした。


 生徒の皆さん、共に暮らしたスタッフ、村の人々。私たちを養ってくれた木も土も水も、強い日差しや雨風から私を守ってくれた屋根も床もみんな、ありがとうございました。また会えますように。そして性懲りも無く叱られ続ける私を、辛抱強く見守って下さったスワミジ。感謝を言葉に尽くすことが出来ません。もっともっと幸せに、もっともっと輝けるように、そのように生きます。スワミジの照らしてくれた道を自らの光で歩き、次の旅人の道を、今度は私が照らしていけるように。


 明日、夜の電車でウドゥピに向かいます。インドを出る前に、(入国以来はじめて)一週間だけノンビリしたい・・・。しかし電車のチケットが確定していないこの現実。私は果たして、のんびり出来るのでしょうか?

来週はタミルナードゥの故郷に帰ります。インターネットが出来るかわからないけど、機会があればまたお便りします。




木々の緑、それから赤いバラ。
僕たちに向かってほころんでる。
僕は一人思うんだ。
なんて素晴らしい世界だろうって。

青く抜ける空、雲の白。
光かがやく祝福の昼と、神聖な夜の闇。
僕は一人思うんだ。
なんて素晴らしい世界なんだろう。

虹の七色が、空にとても綺麗。
それから、行きかう人々の顔も。
手を握り合いながら「元気?」って、
本当は「愛してる」って言っているんだよ。

赤ん坊の泣く声が聞こえる。
彼らが育っていくね。
きっと、いま僕が思っている以上に、
沢山のことを学んでいくんだろう。
そして僕は一人思うんだ。
なんて素晴らしい世界なんだろう。
なんて素晴らしい世界なんだろう。

-「What a wonderful World」Louis Armstrong