2009年11月20日金曜日

photo  インドと上手につきあうコツ

対インドビジネスにおける問題点。

・インド人にとってビジネスのエッセンスは「誠実さ」ではなく「儲け」
・したがって、その達成の為には手段を選ばない
・さらに詐欺まがいの行為を悪いとは思っていない
などなど。

 我々日本人の常識基準から見ると、せこい、ずるい、卑怯、図々しいなど、どうしようもない感じ。インドで嫌な目に会った人も多いのではないか?しかし、上記の点は彼らにとって当たり前のことで、悪ではない。この差の背景にあるものは、人間性の優劣ではなく、常識の違いだろう。とはいえ、日本企業の駐在員の方々の心労は凄まじく、実際、その任期は、諸外国への赴任よりも短く設定されていると聞く。

 インドに長くいる友人の多くが、インド人は酷い、もう疲れた、と怒りを交えて嘆くなか、私にはインドでの嫌な思い出がない。「ラッキー」と思っていたのだが、最近「あれ?これって、もしかして、私自身の常識基準が、ずれているせいでは?」と思えてきた。
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  確かに、見方を変えれば、インドは酷いところだ。秩序もへったくれもなく、極端な利己主義社会であることは確か。今まで鼻に付かなかっただけで、けっこう腹立たしい問題が満載の国かも知れない。

 駐在員が、彼の地で、使用人や召使とうまくやっていくコツは二つあるとのことで、第一に給料を高くすること。第二に彼らを自分の仲間、家族だと思うことだそうだ。私は上司でも主人でもないので、第一の方は必要ないが、精神的垣根をぶち壊すというか、第二のコツには妙に長けている気がする。6畳間に2人で住んだら、各々の持ち分が3畳というのが日本人の考え方。2人が6畳だから12畳だ、わーい!という奇蹟の計算式をもった人たちがインド人だ。

 さて、彼らは親しい人間を家に招待したがる。家に入ったらまず飲み物を振舞うが、お茶の用意が間に合わないときなど、甕で水が出てくる。が、この水が清潔かどうか、日本人としては、悩みどころ。その家がいかにも貧しいようなお家だったら尚のこと不安になるだろう。この水を辞退する人もいるに違いない。
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 インド家庭人の規範理念にマヌーシヤ・ヤッギャというのがあって、「お客様を神としてもてなす」みたいなことなんだけど、その尊い犠牲を受け取らないとなれば、仲間としてシェア感は生まれにくい気がする。となると残るは、インド人とのパワーゲームという、極めて勝算の薄いカードのみ。バイタリティー溢れる華僑が、唯一近づかなかった国がインド、ということだけをとっても、その厄介さは想像に難くない。
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 私はというと、バカボンのパパのようになっているので、なんでも「これでいいのだ」と飲んでしまう。まさか飲めないようなものを出してくる訳がないし、相手が純粋な気持ちで差し出す水に当たったら、それはそれで祝福と割り切るしかない。ネズミが走る床でも当たり前に寝るし、菜食に反しなければ、何でも旨い旨いと食べる。毎日のように施され、ほとんどインドにたかりに来たような状態。

 その代わりといってはなんだが、彼らの頼みごとも、出来る限り聞く。ある町には私の手によってもたらされたカメラが既に4台。渡印のたびに一つずつ運んだり、来日したインド人に託したりする。日本人の友達は「ちょっとまたぁ?シータ大丈夫?はっきり断ったら?」と心配してくれるが、こちらとしては、彼らを親族のように思っているので、まったく苦にもならない。

 でも、もし、「どいつもこいつもカメラ、カメラって・・・。予算に収まるように、一番安い店を調べて、買いに行って、大変なんだから・・・。お金だって立替えなきゃいけないし、なんで赤の他人にここまでしなきゃいけないの~?」と思ったら、大変なストレスであろう。縁を感じる人間には、疑うよりも、いっそ手放しで接する方が、楽だと思う。(ただ、日本ではそうもいかない。裏表のハッキリしている単純なインド人に比べ、感情が繊細かつ複雑なためだ。日本人のコミュニケーションは「間」で成り立っている。近づきすぎることで傷つけてしまう世界ってこと。)



 違う常識を受け入れるのが、少しだけ得意なために、割と楽にやっているけれど、これは逆に、自国の常識をいとも簡単に捨てるノンポリ人間ともいえるので、実際のところ、良いとも悪いとも言えない気がしている。 「こだわりは捨てた」といえばカッコいいけど、結局「なんでもいい、どうでもいい」ってことなのだ。無責任思考。これって、対インドビジネスにおける問題点の一つに入ってるんじゃないかと、心苦しい今日この頃です。
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【追記】インド人と上手に付き合うコツ、私なりに三番目を付け加えるとすれば、その国の倫理感に敬意を払うことかな。服装にしても、普段から、足首まで隠す、肩を出さない(小学生くらいまではOK)、ショールで胸元を隠す(中学生くらいまではOK)などエチケットは厳守している。我ながら、こういう外国人は珍しいと思う。

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ガンガーガンディー(母)とハリプリヤ、サバリタ(娘)達の家にお呼ばれ。


相方のコウサリアと私のベッド、つまり床。この1.5畳分のゴザに二人で密着して雑魚寝。最初は「えッ!」と思ったけどやってみたら案外良い。寝ぼけて蹴り合いながら、子供に帰ったみたいな甘い気分。彼女は寝ボスケなのでシーツを被ってまだ寝てますね。

ヨガの時のファッションも大事でしょう。インド地方部では最高にカッコいいスポーティーカジュアルなんだけど・・・・・・ビミョ~。外国人ヨギ達には、ビシッとダサくキメてる謎の人と思われている気が・・・。インド人には「あ、それいい、似合うね」って真顔で言われます。