2013年6月20日木曜日

強い光





声優の内海賢二さんのお通夜に参列させていただきました。

内海さんは、ひょんなことでご縁させて頂いた、声優の野村道子さんの旦那様であり、私は幼い頃から、サリーちゃんのパパを見て、則巻千兵衛さんを見て、みつばちマーヤを、ワカメちゃんを、しずかちゃんを見て育ちました。実はラオウ見たさに木曜のピアノ教室をやめた高校生でもありました。


道子さんのもとにどうしても参上したかったのです。生徒の皆様、クラスを後日に振替えて下さり、ありがとうございました。


帰り道、一人歩きながら思う。


大人になった私は、なんだか偉そうに生徒さんに何かを教えたりしているけれど、一人で仕事をしている身で、不条理に一人で対面せねばならないことも多く、ダルマの無い権力主義達との対話を、やはり心のどこかで恐れているのだと思う。しかしその恐怖を誰とも分かち合うことは出来なかったりする。

しかし、そんな私の心を支えて下さったのが、ご縁させて頂いた本物の大人の人達の存在でした。野村道子さんもそう、バーンロムサイの名取美和さんや他のスタッフの方もそう。いつも優しく優しく、どこまでも優しく。

でも私は知ってる。この本物の大人の人達に共通することを。みな「悪いことは悪いよ!それ、間違ってるよ!」と毅然と言える人達なのである。

今日を境に、私は、怖じ気づく度にこう考えるのだと思う。

「道子さんなら、どうする?」

「名取さんなら、どうする?」

「賢二さんなら?」

そうやって勇気を奮い立たせるのだと思う。

そして、これからは、私たちの世代が、これまで支えて下さった先輩達を、支えていくんだ。



たった二度だけ賢二さんにお目にかかったことがあります。大きなお声で、皆を守るみたいな強い光みたいな明るさを振りまいていらっしゃったことを覚えています。ご遺影のままの大きな笑顔で。強く、強く、そしてどこまでも優しく。

もっと、もっと、私もそんな風に生きるんだ。


先月タイでアラレちゃんの帽子を冠っている女の子に会った。タブラ奏者のアリフは、アニメで覚えたという日本語を、雄々しい声優声で披露していたね。世界中の子供に夢を与えて下さった賢二さん。ありがとうございました。



心よりご冥福をお祈りいたします。