2020年8月29日土曜日

弾丸!おひとり様トリップ



あ、あつい・・・。
そして、毎日、毎日、狭~い部屋の中。

緑が恋しくなって、ふらり家を飛び出しました。せせらぎの音に耳を澄ませ足を投げ出す。



「あら?どこぞの渓流にでも行ったのかしら?」

・・・と思いわせておいて、クラスと翌日の歯医者の予約の隙間を縫って、単に宿でのんびりする、お籠りステイをやって来たんですよー。写真は、宿のお庭です。たまには楽しいことを、ただ楽しく書くこうってことで。

先日、突然思いたって、山梨県は甲府の湯村温泉に行ってきました。実は、過去にも湯村にはちょくちょく来ている。お湯がとても良い。しかし今回はいつもとはちょっと違うのよ。

光熱費やらクレジットカードのポイントやら溜まっていたので、普段は泊まれないお宿に行ってみました。天皇陛下はじめ皇室御用達の「常盤ホテル」です。将棋の対局で使われることでも有名。




ですが、本読みっ子としては、山口瞳、松本清張、井伏鱒二ら文豪が執筆した場所というのがオイシイのですよ。

(そういう意味では何年か前に、ヒロミパイセンを訪ねた「上高地温泉ホテル」もオイシかった!)





多分、あれが井伏鱒二の泊まったお部屋!ガーン!




松本清張が座ったかも知れないあずま屋!ガーン!


それにしてもですね、さすがでした、常盤ホテル。


大変格式高いホテルでありながら、なんていうか、従業員の方が、ものすごく感じがいいんですよ。出会いがしらに掛けてくれる言葉とかも、なんて言うんだろう、めちゃめちゃキチンとしてるのに、すごくアットホームなんですね。絶妙。

で、気分としては、自分ちで寛いでいるみたいな感じ。でも、風呂掃除とか、炊事とかからは解放されているんだから、最高なわけです。これまでの旅経験で味わったことのない感覚でした。そりゃ筆も進むことでしょう!天皇陛下もリラックスされましょう!って感じです。




これ、私の泊まったお部屋です。昭和天皇の宿泊された離れの一階。たぶん一番小さな部屋。御付きの人とかが泊まるのかななあ、どうなんだろう。。。

古い日本家屋の板の間にベッドが置いてある。

砂壁、鴨居!これは・・・私の好物、昭和感!

そして窓の外に見えるのは、私め専用の温泉でごわす。なんと源泉かけ流し。ガーン!





一応、井伏鱒二の「荻窪風土記」を携えてきたのですが、そんなの読んでいる場合じゃない。どういう巡り合わせか知らないが、只この空間に今いる自分の生活を味わおうということで、庭を歩いたり、あずま屋で休んだり、広縁でアーサナしたり、最高のお風呂に出たり入ったりして、のんびり過ごしました。



ちょっと庭とは思えないような、自然空間なんだよね。日本の造園芸術の妙。

最近、もういろいろ面倒くさくなって晩御飯食べるのやめたので、夕食無しの一人旅プランがちょうど良かった。ドリップコーヒーと炭酸水などは家から持ってきてたし、駅ビルで、おやつも買ったし、アーサナも出来て最高だったよ。



夜のお風呂も最高。坪庭の松の陰を眺めながら、ちょうど一人にピッタリな風呂桶のサイズも良い。夏はお庭の青芝でビアガーデンをやっているそうで、私が見た時は、地元の方だろうか、四人グループのお客さんが一組だけで、テーブルがポツンと一つだけ。見た目猛烈に贅沢かつ上品な空間。

甲府といえば葡萄だから、みなさんワインとかを飲むのだろうか。

涼し気な夜の庭に、なぜかサザンの曲がかかっていて、それがまた哀愁っていうか、何とも言えないオツな風情なんですよ。湘南の海の歌に井伏鱒二の愛した松がそよいでいる。



それにしても、温泉がねえ・・・お湯が強すぎず、弱すぎず、本当に良いんですよ。湯あたりっぽくもならない。

一晩だけだったけど、やたら出たり入ったりしていたので、調子の悪かった左肩の奥の方の滞りが淡い痛みとなって、筋肉の表面に出てきた。カッサの施術後みたいな感覚。もしや温泉効果かも知れん。もうしばらく滞在できたら、更なる変化が見られたのではないか、と思うと残念。

まあ、己の懐具合のせいだから、仕方ないんだけどね。

皆さん大変だと思うのですが、お湯が出続ける限り、湯村の旅館には元気でいて欲しいな。どうやら山梨県は独自の宿泊割引きを始めるらしい。準備の整った宿から順次始まるとのこと。お近くの方は是非いちど足を運んでみて欲しいです。

私もポイント貯めてまた行きたいな。

なんだか大人な一人旅でした。