2013年5月8日水曜日

くらび日記7

5月7日(火)

浜から結構遠くへ泳ぎ出ている。自分は最も泳げない部類に属する人間って思っていたが、思い込みだったのかも知れない。他の人達をみてみると、9割の人は浅いところでバサバサやっている。もしかして、私はちゃんと泳げる人?ザンザンと迫りくる波が恐ろしいので「海なんて嫌い!」と決めていただけなのかも知れない。

1回入ると、少なくとも30分くらいは泳ぎ続けるが、今日、右の中指の先がプルンとした禿頭みたいなものに触れた。クラゲの頭に触ってしまった。

「ひゃあっ!」

とか声に出して驚くのも楽しい。誰もいないし、海と魚とクラゲだけが聞いているだけだ。ほぼ毎日クラゲの赤ちゃんには刺されるが、この美しい海において完全な保護色、つまりキレイに無色透明なので本当に困る。


立ち泳ぎをしながら崖のほうを見やる。壁面にポッカリが開いている見慣れた穴は、もしや私たち探検隊が洞窟から出てきた場所なのか?大分高い位置にあるようだ。あの時、近くに竹の梯子が置いてあったのを記憶しているけど、目を凝らすとやはり梯子が見える。間違いない。



あの梯子はいったい誰をどこへ導くものなのか。あとでマネージャー氏に聞いてみたら、クライミングの人を導く梯子だそうで、クライミングって、どこへ?と更に問うと「頂上までだ、僕も4ヶ月前に登った」とのころ。びっくりした。だいぶ高いようだが・・・。中国人の友人と二人、9時にスタート、交互にビレイしながら登坂し降りたのが19時だそうだ。

今日はマネージャー氏にといろいろとタイのことを尋ねてみた。

・タイの男はみんなムエタイが出来るらしい。子供時代に大抵近所のジムに行くから。ジムは2km四方に一軒くらいの割りである。

・「ドラえもん」は少なくとも30年くらい前から放映していたらしい。

・この辺の男はみんなファイヤーダンスがちょっと出来る。スポーツというか遊びみたいなもので皆できる。(なぜこんなこと聞いたかというと、先日のファイヤーショーのパフォーマーが、そこら中のレストランで注文を取っていたりするのに気づいたからだ。あれは熱くないのか?の問いには「熱い」との答え。)

などなど。




5月8日(水)

あっというまに月日が過ぎて、ここでの美しい暮らしも残すところあと3日となった。とても名残惜しい。あと3日、あと3日、と先のことを考えてばかりいたら、今が勿体無いので、瞬間、瞬間をしっかり噛み締めなくてはいけない。

朝のビーチへの道すがら、とても幸せな人生だった、としみじみ思う。まだまだ生きる気満々ではあるが、中間発表としては、そういうことだ。

「いい経験いっぱいした幸せな人生だったなー」

と、私は満ち足りた気持ちで死ぬことが出来るだろう。さまざまな経験を通して体験した「自分自身」に満足しているだろう。


死ぬ時に思うことが

「お金がいっぱい貯まったなー」

とかだったら、とても侘しいだろうな。さすがにどんな馬鹿な人でも、死の間際には「お金は持っていけないかも」って気づくでしょう。お金こんなに貯まったなー、でもお金はあの世に持っていけない、来世にも持っていけない。





日本から持ってきたシリコン製ティーバックと蓋、可愛い雑貨に興味のない私としては高価な品物だ。ここに来るためにインドから持っていた湯沸し器はまだ壊れずに大活躍している。インドでは電気ケトルを持ってるし、悠長に茶葉をつめたりしている時間はないので、今はなんだか贅沢。蚊取り線香も、シャンプーも、洗剤も、コーヒー豆も何もかも、重かったけどインドで買って持ってきた。タイで買うよりずっと安い。それらが少しずつ減っていくのが嬉しいようであり、また寂しくもある。休暇が終わろうとしている。

それにしても、食べても、食べても、毎日お腹が減って困る。そんな時にお腹が減った人の本など読むと、投げ出したくなるくらい。今日はヴィヴェーカナンダアシュラムで買ったオイルと、カルプーラーディオイルを混ぜたものでセルフアビヤンガをしたら、ものすごい汗が噴出して、余計にお腹が減って困り果てた。Ayurvedaとは本当に凄いよ。