2013年5月10日金曜日

くらび日記8

5月9日(木)

やはり、朝の干潮時に船が出せないということで、一日早めて明日の午後発つことにした。マネージャー氏がお別れディナーに招待してくれる。インドへのホームシックもようやく消えて、ここに慣れてきた頃にはやっぱり出発しなくてはいけない。私の性格がこうなもんだから、面倒くさいと思ってしまったりもするが、マネージャー氏は本当に性格が良くて好青年だし、真面目。どこか純朴でかわいいところがある。本当にありがとう。

帰り路に例のファイヤーダンスのバーで、他の宿泊客(オージーの男性とデニッシュの女の子2人)を発見したので、私達も合流して、しばらく座った。

10時まではアコースティックライブで、おじさんの後にDJのムキムキマンが出てきた。ギターも歌も凄く上手い。お客をぐっと引き付けて盛り上がっている。世界中どこにいっても食いっぱぐれは無さそうだが、実は彼はマレイ人なのだそうだ。云われてみれば、ムキムキさえ隠してしまえば、骨格は小さく華奢、マレイボーイ独特の可愛い顔をしている。どうりで他のスタッフとは毛色が違うというか、英語も流暢というか。ファイヤーダンスにしても歌にしても、何をやらせてもハイクオリティーでアトラクティブだし、彼の活躍でこの店が大繁盛しているといっても過言ではなかろう。

何がどうしてマレーシアからこんなところに来ちゃってるんだろう。自分もインドくんだりでヨガ教えたり、事務をとったり、食べ物を配膳したりと、他人のことを云えた義理ではないのだが、いろんな人生があったもんだ、とシミジミする。服装の感じが心なしかゲイっぽいので、そういう理由もあるかも知れないと。あの封建的なイスラム社会で同性愛者の存在は許されにくいだろうし。

今日のファイヤーショーは5人だけ。前回の盛り上がりは、パフォーマーの一人の誕生日を祝いに近所の若い衆が応援に駆けつけていた、ということだったらしい。10代とおぼしきあのレオパード軍団の鬼気迫る演技が見れなくて残念だったが、ムキムキマンは今日もとてもカッコいいパフォーマンスをしていた。ここでの最後の夜であった。


レオパード軍団は、昼間は一生懸命スケボーの練習をしているか、ゴミを船に積んだり何かしら動いていて、勤勉に働いている礼儀正しい少年達である。インドのビーチの不良たちはトコトン西洋人にすれて、かぶれて堕落していくが、ここでは勝手が違うらしい。


5月10日(金)

いつしかここに愛着が出てしまった。

満ち潮のうちに、最後に海を見に行く。相変わらず美しい海。

まさに天国での2週間だった。

天国にきたからには、またシャバに帰らねばならない。

少なくともノート一冊分のスタディーも終わった。

また、きっと帰ってくると思うよ。

感謝。