5月1日(水)
とうとう2013年も4分の1が過ぎてしまった。起きてみると大胸筋がすこしだけ筋肉痛というだけで、他はなんともない。同年輩のみならず、もっと若い男女でも、全身筋肉痛は必至である。例によってヨガ恐るべし。しかし上には上がいるもので、その辺の鍾乳石で練習しているクライマー達はまるで猿のようだ。ロープもハーネスも付けず、天井やら柱やらにぶら下がっている。いったい何を考えているやら・・・というより凄いの一言。
空は晴れ清々しいのだが、なぜか気分が晴れない一日。本を読んだり、仕事をしたり、泳いだり、いつも通りなのに、どうも良くない。例の告発メールに続きがあったからか。
某聖職者のセクハラを彼氏に愚痴ったら、彼氏が激怒して要所に抗議のメールを送ったというのが今回のストーリーだったらしい。彼氏のしでかしたことに「スミマセン」と詫びつつも、「あのスワミにもう来訪して欲しくない」との意思表明。それに対し本部役員会が「対策窓口を外部に設置したので、文句のある人はそちらへ言ってください。さもなくばこんなことは噂にもしないでください。」ということ。なんだそりゃ。全体的に、あきれて物も言えん・・・・。役員会も役員会だし、被害者の人もまだしがみつく?徹底的に毅然としないといけないよ。パワーにおもねってはいけないよ。
この手のセクハラは、パワーハラスメントであり、弱者への暴力である。殴る蹴るのと一緒。人権の搾取だよ。搾取されるのはいつも弱いもの、貧しいもの、女、そして子供。
もう、暴力はごめんだ。
嫌な気持ちを静めようと放浪記のページをめくっていたら、そこから黄色い押し花が出てきた。一瞬思い出せなかったが、これはサジットがヴァルカラを訪れたときにくれたシヴァギリアシュラムのお寺のプラサーダだ!トゥラシマタと一緒に、サジットはとってもスイート!とほっこりして二人で押し花にしたんだった。
今日の天使は埃っぽい本の隙間にいたね。
どうもマネージャー氏に気に入られている感がある。夜、ツバメの巣の甘いスープの差し入れを持ってくる。おかしなことはしないし、しつこくもないし、真面目な青年だが、面倒だと思う。
5月2日(木)
こうして日記でもつけないことには、今日がいつで何曜日なのか、さっぱりわからなくなる。何は無くともこんな贅沢な環境での暮しは、人の反感を買うだろうか、反感を買ってそのお返しに蔑まれたりするのだろうか。あの人は稼がないでダラダラ過ごして、と。日本から完全にはみ出してしまっている気がする。なんでもボチボチがいいんです。それに全員がボチボチにすればもっと失業者が減るんじゃないかって思う。
午前中に泳いで、というプランは速くも却下。潮の干満の時間がずれていってしまうため。このタイムテーブルは意味が無い。自然のリズムに私が合わせるほうが、きっと理にかなっているのだ。
ようやく勉強の方もエンジンがかかってきて、午後2時くらい机の前。スワミジの話を、要らない紙~みんなが置いていったノートの余白とか、印刷ミスの裏紙とかに書き取ったものを、ノートにまとめて清書していく。器用なことに、話を聞きながら、手は別に動かす芸当が出来るようになっていて、どの生徒さんよりも必死でメモを取っている。私の講義の情報ソースはここにあるのだ。スワミジの一言一句をジイ~ッと聞いている、そこなのだ。
一度オフィスの引越しの時に行方不明になり、「無い無い」と言って毎日しつこく聞いて回って皆に迷惑がられたけれど、この紙切れたちは私の命と同じくらい大切。すごい執着がある。
当初の予定ではこれは一日でパーッと終わらせてあとは翻訳、の筈だったが、よく見ると厚めの文庫本ほどの情報量がありそうだ。終わるのだろうか。日本に帰る前に絶対終わらせて、荷物を軽くしたい。
この夏の日本での住まいを検討し始めており、暮らしを想像するのはとても楽しいのだが、同時に凄いホームシックにかかっている。インドシックか。ここには西と東に一軒ずつ仕立て屋があって、当然そのどちらもインド人である。みんながゆったり服でリラックスする南のビーチで、パリッと着たYシャツをスラックスにインしているのはインド人しかいない。どちらのテイラーもスーツがメインでお呼びではないのだが、恋しさに無闇に店の周囲をうろうろしてしまう。完全にテイラーを意識しているが、
「スミマセン、インド人の方ですか」
と声をかけるのは意味不明でさすがに躊躇われる。もっと気楽な性格に生まれついたらよかった。海に沈み行く太陽を見ても、ああ、あの太陽インドに行くんだな・・・と思って侘しくなる。
メモからある日のスワミTのお話。これらの「お話」が大好きだった。
男がビーチを歩いていて振り返ると、いつも二人分の足跡がある。この一つは自分ので、もう一つは神様のものだという。神様いわく
『I'll be with you always for helping you.』
ある辛い時期、背後を振り返ってみると足跡が一人分しかない。それで男は文句をいうのです。
『いつも一緒だっていったじゃないか!なのに僕の一番苦しいときに貴方はいない。騙したな!』
すると神様がこう答えるのね。
『あの足跡は私のだよ。今私は君を背負って歩いているんだよ』
これはなんだか泣けるお話。
5月3日(金)
朝大雨。満員電車に乗らないでよくて、あとは屋根があれば雨さえ嬉し。
テラスに座って雑事をこなしていたら、ザザーッと木が揺れる激しい音がして、何の気なしに目をやると、先日みた猿が。めがね猿と思ってたが、図鑑でしらべたら全然違う。メガネをかけたような顔をした顔の黒い、顔の周りの白い猿だ。図鑑には載っていなかったが手長猿の一種か。
やがて屋根からヒュウッと木に飛び移ってジャングルに消えていったが、なんとなくその悪そうな動きとか顔の白黒とかが仮面ライダーのショッカーに似ている。
連日、外でワッサワッサやっていたのは庭師かと思っていたけど猿だったか。マンゴー持ってきたのもこの子達に違いない。よくよく考えてみたらリスが自分よりも重いマンゴーを小脇に抱えて、テラスに飛び移ってくるなんて不可能だもん。なかなか空は晴れてこない。毎日見ている天気予報サイトがまったく当たらない。涼しい一日。泳ぎもサボろうかな。
部屋探しはとても面白い。かたちが非常に変わった物件も幾つかあって、話の種に住んでみようかとも思ってしまう。
とうとう2013年も4分の1が過ぎてしまった。起きてみると大胸筋がすこしだけ筋肉痛というだけで、他はなんともない。同年輩のみならず、もっと若い男女でも、全身筋肉痛は必至である。例によってヨガ恐るべし。しかし上には上がいるもので、その辺の鍾乳石で練習しているクライマー達はまるで猿のようだ。ロープもハーネスも付けず、天井やら柱やらにぶら下がっている。いったい何を考えているやら・・・というより凄いの一言。
空は晴れ清々しいのだが、なぜか気分が晴れない一日。本を読んだり、仕事をしたり、泳いだり、いつも通りなのに、どうも良くない。例の告発メールに続きがあったからか。
某聖職者のセクハラを彼氏に愚痴ったら、彼氏が激怒して要所に抗議のメールを送ったというのが今回のストーリーだったらしい。彼氏のしでかしたことに「スミマセン」と詫びつつも、「あのスワミにもう来訪して欲しくない」との意思表明。それに対し本部役員会が「対策窓口を外部に設置したので、文句のある人はそちらへ言ってください。さもなくばこんなことは噂にもしないでください。」ということ。なんだそりゃ。全体的に、あきれて物も言えん・・・・。役員会も役員会だし、被害者の人もまだしがみつく?徹底的に毅然としないといけないよ。パワーにおもねってはいけないよ。
この手のセクハラは、パワーハラスメントであり、弱者への暴力である。殴る蹴るのと一緒。人権の搾取だよ。搾取されるのはいつも弱いもの、貧しいもの、女、そして子供。
もう、暴力はごめんだ。
嫌な気持ちを静めようと放浪記のページをめくっていたら、そこから黄色い押し花が出てきた。一瞬思い出せなかったが、これはサジットがヴァルカラを訪れたときにくれたシヴァギリアシュラムのお寺のプラサーダだ!トゥラシマタと一緒に、サジットはとってもスイート!とほっこりして二人で押し花にしたんだった。
今日の天使は埃っぽい本の隙間にいたね。
どうもマネージャー氏に気に入られている感がある。夜、ツバメの巣の甘いスープの差し入れを持ってくる。おかしなことはしないし、しつこくもないし、真面目な青年だが、面倒だと思う。
5月2日(木)
こうして日記でもつけないことには、今日がいつで何曜日なのか、さっぱりわからなくなる。何は無くともこんな贅沢な環境での暮しは、人の反感を買うだろうか、反感を買ってそのお返しに蔑まれたりするのだろうか。あの人は稼がないでダラダラ過ごして、と。日本から完全にはみ出してしまっている気がする。なんでもボチボチがいいんです。それに全員がボチボチにすればもっと失業者が減るんじゃないかって思う。
午前中に泳いで、というプランは速くも却下。潮の干満の時間がずれていってしまうため。このタイムテーブルは意味が無い。自然のリズムに私が合わせるほうが、きっと理にかなっているのだ。
ようやく勉強の方もエンジンがかかってきて、午後2時くらい机の前。スワミジの話を、要らない紙~みんなが置いていったノートの余白とか、印刷ミスの裏紙とかに書き取ったものを、ノートにまとめて清書していく。器用なことに、話を聞きながら、手は別に動かす芸当が出来るようになっていて、どの生徒さんよりも必死でメモを取っている。私の講義の情報ソースはここにあるのだ。スワミジの一言一句をジイ~ッと聞いている、そこなのだ。
一度オフィスの引越しの時に行方不明になり、「無い無い」と言って毎日しつこく聞いて回って皆に迷惑がられたけれど、この紙切れたちは私の命と同じくらい大切。すごい執着がある。
当初の予定ではこれは一日でパーッと終わらせてあとは翻訳、の筈だったが、よく見ると厚めの文庫本ほどの情報量がありそうだ。終わるのだろうか。日本に帰る前に絶対終わらせて、荷物を軽くしたい。
この夏の日本での住まいを検討し始めており、暮らしを想像するのはとても楽しいのだが、同時に凄いホームシックにかかっている。インドシックか。ここには西と東に一軒ずつ仕立て屋があって、当然そのどちらもインド人である。みんながゆったり服でリラックスする南のビーチで、パリッと着たYシャツをスラックスにインしているのはインド人しかいない。どちらのテイラーもスーツがメインでお呼びではないのだが、恋しさに無闇に店の周囲をうろうろしてしまう。完全にテイラーを意識しているが、
「スミマセン、インド人の方ですか」
と声をかけるのは意味不明でさすがに躊躇われる。もっと気楽な性格に生まれついたらよかった。海に沈み行く太陽を見ても、ああ、あの太陽インドに行くんだな・・・と思って侘しくなる。
メモからある日のスワミTのお話。これらの「お話」が大好きだった。
男がビーチを歩いていて振り返ると、いつも二人分の足跡がある。この一つは自分ので、もう一つは神様のものだという。神様いわく
『I'll be with you always for helping you.』
ある辛い時期、背後を振り返ってみると足跡が一人分しかない。それで男は文句をいうのです。
『いつも一緒だっていったじゃないか!なのに僕の一番苦しいときに貴方はいない。騙したな!』
すると神様がこう答えるのね。
『あの足跡は私のだよ。今私は君を背負って歩いているんだよ』
これはなんだか泣けるお話。
5月3日(金)
朝大雨。満員電車に乗らないでよくて、あとは屋根があれば雨さえ嬉し。
テラスに座って雑事をこなしていたら、ザザーッと木が揺れる激しい音がして、何の気なしに目をやると、先日みた猿が。めがね猿と思ってたが、図鑑でしらべたら全然違う。メガネをかけたような顔をした顔の黒い、顔の周りの白い猿だ。図鑑には載っていなかったが手長猿の一種か。
やがて屋根からヒュウッと木に飛び移ってジャングルに消えていったが、なんとなくその悪そうな動きとか顔の白黒とかが仮面ライダーのショッカーに似ている。
連日、外でワッサワッサやっていたのは庭師かと思っていたけど猿だったか。マンゴー持ってきたのもこの子達に違いない。よくよく考えてみたらリスが自分よりも重いマンゴーを小脇に抱えて、テラスに飛び移ってくるなんて不可能だもん。なかなか空は晴れてこない。毎日見ている天気予報サイトがまったく当たらない。涼しい一日。泳ぎもサボろうかな。
部屋探しはとても面白い。かたちが非常に変わった物件も幾つかあって、話の種に住んでみようかとも思ってしまう。