今朝、クラスの中で話が脱線した折に、学生時代にお世話になったI 先生の話が出たので、先生について書いた文章をこちらにバックアップしておこうと思います。
なんでかというと、その文章の載っていたページがもう存在しないからですね。
10年前にYoginiという雑誌がwebで「笑ってヨガとも」をやっていてのリレーエッセイをやっていて、編集部から渡された「ヨーガをもっと楽しむ方法」というテーマで、色んな人が順繰りに書いて繋いでい・・・という企画。
そこに寄稿した文章です。
タイトルは「天真爛漫」で出しましたが、今もこの言葉の如く生きられているかな?あんまり客観的に考えたことはないから分からないけどさ。
なんと言っても写真が若い!
とりあえず、原稿、いってみよー!
タイトル:天真爛漫
以下本文:
笑顔で夢を形にする意志の人、Ukoちゃんからバトンを受け取りました。
Ukoちゃん、ありがとう。今年もよろしくね。
「ヨガをもっと楽しむための方法」かぁ・・・「なんも考えないこと」ですかね~。あ、のっけからオフモードの独りごとになりしたが・・・こんなゆるい答えで良いんでしょうか・・・?
・・・むかし、まだ学生の時のこと。私は、白髪の偏屈老人、泣く子も黙るI教授のゼミにおりました。先生は詩人で、とある寺の住職でもありました。「お父さんは心配症」(知ってる?)という漫画に出てくるお父さんにそっくり。
「授業中に弁当を食べようが、コーヒーを飲もうが構わないが、全霊で聴け!」
という変わった人でした。本当に弁当をムシャムシャ食べながら、最前列で聴いている私も、まあ変人だったには違いないんでしょうが、先生はそりゃもう最強変人だった気がします。授業中お喋りをしていた学生に
「地獄に落ちろっっっ!」
と怒鳴ってましたからね。とにかくかなりのインパクト・・・尊敬してました。
彼が決定的に私のヒーローになったのは、卒業の日のことです。式のあと、教授たちの訓辞を賜っていた時。「社会に出ても頑張って下さい」というお決まりの文句が続くなか、教壇に上がったI先生は、怒ったみたいな震える声で
「私は・・・頑張るという言葉は、大嫌いだっ!」
いきなりバタン、ドア閉めて退場。
衝撃でしたよ。研ぎ極めたナイフのような正論・・・。もしかしたら・・・先生は多分、本当に怒っていたんだと思います。「こいつらの云う、頑張るなんて言葉、嘘だ!」・・・先生の心の声を聞いたような気がして、胸を掻きむしられる思いでした。偏屈者の先生が言いたかったことは「手を抜け、楽をしろ」ってことじゃない。
『頑張って』なんとかやり過ごす様な生き方をするんじゃないよ。
この限りある人の一生は、全ての行動を歓びと共にしてこそ全うできる。
歓喜に挑み続けなさい。
・・・そう聞こえた。偏屈でも聖職者。感動しました。
以来、あの日の先生を思い出すたび「これからは魂の底から楽しいことしかすまい。その為に努力をしよう」と誓うのですが、どうしてこれが、一番難しいことなのかも知れない。
・・・しかし、楽しいって、どういうことよ。あー、あれだ、経験上、なーんも考えてない時だなぁ。あれ?ヨーガの先生なのにこんなんでいいのか? あ、また独りごと・・・。
そこで、一応それらしく解析するわけですが、「なーんも考えてない時」ってのは、多分、ほんの少し前の過去でも、一寸先の未来でもない、今という完全な瞬間に居る時なんですよ。「多分」じゃなくて、これはホント・・・。
「楽しかった!時の過ぎるのを忘れた!」っていう経験を、誰しも持っていて、とくに子供の時なんてそうだけど、我を忘れて、時間の向こうの夢の中にいるみたいな、あの感覚。文字どおり、無我夢中に遊んだ夏休み、一瞬が永遠になったあの夕暮れ。そこに歓喜は満ちるなあって思います。
時間よりも速く、遅く、もっと静かに、もっと神に近づく、その瞬間、連続・・・
私にとって、歓びとは・・・愛とは、それは完全な静けさ。
だから私はもう、な~んにも考えないっ!バタン、退場。
「天真」とは生まれつきの素直な心そのまま、「爛漫」は自然のままに輝き現れる様子をいうのです。いつまでも気分は小学生。何のてらいも持たず、若々しい新鮮な気持ちを失わず、そういう風に生きていけたらいいね。そうしたら、ヨーガは・・・すべては、もっと楽しい。
そうそう、それからもう一つ、私の「ヨーガをもっと楽しく」してくれるもの。「それ以上でも以下でもない、そのままの私」を許してくれる「ヨガ友」たちの存在。このライフを歓びで満たすという我がミッションにおいて、もはや距離なんて関係ない、彼らには本当に助けられてます。この場を借りて感謝の意をば・・・
みんなーっ、愛してるよーっ!
次のブロガーは・・・この人も天衣無縫ですね・・・「そのまま教」の大先輩であるあの人にバトンを渡します。楽しい暮らしの頼れるアニキ、今日も駄洒落が冴えるSatori君。アニキ頼んだ、後はよろしくっ!